




興味をそそり開発意欲を刺激!
2004年(平成16)のことでした。大阪から東京に異動した営業マンが、何か新しい商品になるものはないかと日々アンテナを張って営業活動をしていた時です。あるお客様を訪問した際に点字ブロックの存在を知り、興味を持って調べていくうちに開発への思いが湧いてきました。
すぐさま同僚の営業マンの協力も得て市場リサーチを開始。その中で導かれたのが “仮設使用”というキーワードでした。「これなら今の商流でもいけるぞ!」と思った彼は、さっそく商品開発会議で提案しました。


足元に見えたパネルに興奮。


この会議には、大阪から社長も参加していました。「おもしろいな~」と社長の感触も良かったものの、その場で最終的なゴーサインが出たわけではありません。会議を終え、帰阪するためオフィスを出た社長から、数十分後に電話がありました。JRのとある駅からでした。「オモロイ!やれ!」と。
「実際に駅で黄色いパネルを見て、これはいけると思ったようです」と、わざわざ電話があったことを思い出す営業マン。バリアフリーに対する人々の意識が高まり、国など諸方面の対策が進みつつある風潮にあって、社長も彼も大きなビジネスの予感に胸をときめかせた瞬間でした。
競合他社の参入で厳しい状況に。
さらに市場リサーチを徹底した上で商品開発に着手しましたが、開発は思った以上に難しく、試行錯誤の連続でした。しかし、その困難を乗り越えてようやく実ったアラオのゴム製の点字パネルは品質も良く、価格もリーズナブルだということで好調に売れ、生産が追い付かないほどでした。
が、売れるほどに競合他社の参入も。そして、価格攻勢をかけてくるという、激しい競争環境を招いていきました。商品シリーズが少しずつ充実する中、この厳しい現状を打破するにはどうすべきか、新たな課題を突き付けられたのです。
